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夢の告げから生まれた今戸焼の招き猫

所在地東京都台東区花川戸(三社権現)
年代嘉永五年
登場貧しい老女
出典動物妖怪譚

どんな伝承か

嘉永五年、浅草花川戸のあたりに猫を可愛がって暮らす老女がいた。年老いて商いも立ちゆかず、他家に身を寄せて余生を送ろうと、泣く泣く猫に暇を出して家を離れる。その夜の夢に猫が現れ、自分の姿を造って祭れば福徳は思いのままだと告げた。目覚めてそのとおりにすると、たちまち暮らしが立ち、もとの家に住み続けられたという。噂は広まり、今戸焼の泥人形の猫が造られて貸し出された。借りた者は供物を供え、神仏のように敬い、願いがかなうと金銀などを添えて返す。店は浅草寺三社権現の鳥居のかたわらにあり、求める人が引きも切らなかったが、四、五年で噂はやんだ。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))

『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。

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