日蓮が蘇生を祈った実相寺の神代桜
どんな伝承か
北巨摩郡武川村、いまの北杜市武川町の山高にある実相寺の境内に、神代桜と呼ばれる名高い桜がある。その昔、日本武尊が東征の折に記念として自ら手植えしたものだと伝えられる。それから長い年月がたち、いまから六百年ほど前に一度枯れかかったとき、この地を巡錫していた日蓮上人が深く惜しんで、桜の蘇生を祈ったという。そのため一名を妙法桜とも呼ぶ。群れ彼岸の一種で日本中部に特有の種だといい、樹齢は二千年を超え、高さ九十尺、周囲六十尺、枝は東西十五間、南北十七間に及ぶ日本一の大桜樹だとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。