鱗の小箱を残した穴森の主
どんな伝承か
緒方の田尾に伝わる話である。穴森様の主である大蛇が、美しい若衆に姿を変えて宇田の姫のもとへ通っていた。いくら名を尋ねても答えないので、乳母が糸を通した針を姫に渡し、男の袴の裾に刺すよう教えた。乳母があとを追うと呻き声が聞こえ、覗いてみれば穴森の社の穴の中で蛇体が針に刺されて苦しんでいた。大蛇は乳母に三枚の鱗を入れた小箱を与え、そのまま息絶えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。