俊寛を祭る御祈大明神社
どんな伝承か
御祈大明神社は俊寛を祭神とし、成経と康頼の霊をあわせ祭る。社の山はまわり二十間ほどで俊寛山と号し、木が茂って山茶が多い。本社の東の脇には涸れ川があり、その辺りを俊寛川原と呼ぶ。社地は谷あいのような場所を削って平らにしたものである。昔、俊寛の石塔がこの川原の上にあったが、雨水に崩されて打ち捨てられていたところ、その霊によって怪しいことが起こり、人々が恐れて今の地に社を建てたという。墓の脇にあった大松は文化の頃の大風で倒れ、朽ち木が今も横たわる。正祭は十二月二十八日で、前夜から斎戒して神膳を供え、七月十五日の夜には大小の松明を浜に立てて火を投げ上げ、終夜舞い踊るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。