大晦日の羽黒山に燃える大松明
どんな伝承か
大松明の祭りは各地にある。羽黒山の松例祭は大晦日の夜に行われ、松聖二名に若者を分属させて競争させる。播磨や周防長門では柱松が盛んで、いずれも松明を投げ上げる競技となっている。三河幡豆郡鳥羽の神明宮では旧正月七日、長さ二間余りの松明に竹六十本を用い、燃え切るときに芯の真木と底部の十二縄を手早く取り出して神前に供えるというから、これも早業を競うものである。柳田国男は、この競技が古くは年占であり、その競技場が今も地名として残る例が多いことを示している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。