松例祭の夜に謡う羽黒山のしゃもじゃ節
どんな伝承か
出羽の羽黒山では、十二月晦日の松例祭の夜の年籠りに、終夜「しゃもじゃ節」を謡う。これは玉依姫神がこれを好まれるゆえだと『三山小誌』はいう。柳田は、そこに杓子の舞が実際にあるかどうかは知らないとしつつ、山の神と杓子との因縁を語る一例に数えている。豊後三重町あたりでは御日待講のときに杓子踊があり、津軽地方には正月二十日の杓子舞があった。杓子は食物分配の唯一の機関であって、嫁に杓子を渡すことは姑から世帯を引き継ぐことを意味し、女房を山の神と呼ぶのも、女房が杓子を標識としているからだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。