金時の墓と伝える坂田の金時塚
どんな伝承か
豊川市の旧小坂井町字坂田に金時塚がある。五坪ほどの所に木が茂り、草木を刈るとおこりを振るうという。源頼光の四天王の坂田金時が老後をここで過ごして死に、その墓がこの塚だと伝える。昔、頼光が金時らを従えて東国の夷を討ちに行く途中ここに立ち寄り、鎮守堂にこもって戦勝を祈った。そのとき金時が肌身離さず持っていた薬師如来の小像が急に重くなって動かなくなり、有縁の地と考えて堂に安置した。戦に勝った帰り道に再び立ち寄って七尺の仏像を作り、寺を坂田山東林寺と名付けた。のちに堂の前を通る船の帆が倒れ、馬が落馬する不思議が続いたので仏像を北向きにした。塚の近くには「坂田金時神旧跡」の碑が立つ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))
『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。