御殿山で果てた千代姫を祀る大村様
どんな伝承か
御殿村の御殿山の頂上に大村神社があり、木曽義仲の部将手塚太郎光盛の孫姫千代姫を祀るという。土地では大村様とも千代の御前とも呼ぶ。義仲の死後、光盛は園村の尾々に住みついた。孫の千代姫はかねて眼を患っていたが、あるとき尾々から御殿村の金指という分家へ向かう途中で道に迷い、いたずら好きの村人に違う道を教えられて御殿山の中で行き倒れて死んだ。心ある村人が姫を哀れんで建てたのが大村神社だと伝える。一説には眼病平癒を祈って御殿山に登る途中で倒れたともいう。旧暦九月十五日の祭りには眼病の人々の参詣でにぎわう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))
『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。