生きながら葬られたお聖様
どんな伝承か
昔、戊辰戦争が終わって数年を経たころ、どこからともなく一人の旅の老僧が舞木村に現れ、毎日門乞いをして歩いていた。ある日、老僧は村人に、自分の命はあと幾日もないが、世話になった礼に舞木地区が今後、災難や流行病に襲われぬよう守護したいと告げた。そして数日の穀断ちをして、生きながら棺桶に納まり、村人によって葬られた。竹筒を地上へ通し、そこから鉦の音が絶えたときが成仏だと伝え、七日七夜が過ぎてまさに成仏したという。昭和四十五年ごろ、舞木駅前の南西一帯の宅地造成で、墓地でない所から古い埋骨が見つかり、延命寺の和尚に供養されて改葬された。古老はお聖様の埋葬地点と一致するという。
原典より
昔、戊辰戦争が終って数年を経たころ、何処からともなく、一人の旅の老僧が舞木村に現われて来て、毎日門乞いをして歩いていた。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。