餌をねだる白狐と日吉稲荷
どんな伝承か
郡山市富久山町久保田の日吉神社の境内には稲荷神社がある。五、六十年前までは日吉神社の拝殿の南側、小高く盛った土の上に祀られていたが、いつの頃からか今の場所へ移された。明治二十二年ごろには二匹の白い狐がいて、稲荷様のお使いだとされていた。雪の夜などはすぐ下の渡辺家まで食べ物をもらいに来て、雨戸に触れて餌をねだったという。いまは付近に住宅が増えたため狐の姿は見られない。社には雨覆いがかけられ、赤い鳥居が立ち並んで、参詣する人も多くなった。
原典より
日吉神社の境内に、稲荷神社があるが、五〜六十年前には、日吉神社の拝殿の南側の、小高い土盛りの上に祀られていたが、何時のころからか、現地の場所に移された。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。