風呂敷の中の禁制の神
どんな伝承か
大槻町太田に相楽という家があり、もとは隠れキリシタンであったという。昔、相楽家の先祖のもとへ一人の老婆が訪ね、大切な物が入っているから決して見ないでほしいと言い置いて、風呂敷包みを預けて出かけた。刻限になっても老婆は戻らず、主人はつい包みを開いてしまう。中には御禁制のキリシタンの神が入っていた。やがて戻った老婆は包みを見るなり中味を見ただろうと問い詰め、主人が白状すると、見たからにはキリシタンになってもらわねばならないと迫った。相楽家は明治までずっと隠れキリシタンとして通したという。
原典より
大槻町太田に、相楽という家があった。—— 郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦)
福島県郡山市(旧安積郡・田村郡域、湖南・熱海・三穂田・逢瀬・西田・中田ほか各町)に伝わる伝説を、木/石・岩/水/塚/坂・峠・山/祠堂/家・村/祭礼・行事の八部門に分類して集成する。坂上田村麻呂や阿古陀媛・采女伝説・萩姫、源義家ら前九年の役の人物伝承、淵や池の主・龍神・河童、弘法大師の清水、稲荷・観音・地蔵の霊験、長者伝説や埋蔵金、隠れキリシタンなど、郡山の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を伝承地つきで網羅する。