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松川の中川原で狼に噛まれた兄弟

所在地山形県東置賜郡高畠町金古屋
年代江戸後期(約100年前)
登場金古屋の山木平十郎の息子兄弟
出典高畠町伝説集

どんな伝承か

このあたりには百年ばかり前まで狼がいたらしく、夜になると死馬をあさって川原を横行していた。ある時、金古屋の山木平十郎の息子二人が、松川の中川原で朝草を刈っていた。まだ夜が明けきらず薄暗い時分である。一心に刈っていた弟の傍らの草叢から一匹の狼が躍り出て、いきなり足に噛みついた。あまりに不意のことで、弟は悲鳴を上げて倒れた。五、六間先で草を刈っていた兄が驚いて駆けつけると、この始末である。手にした草刈鎌で滅多切りにすると、さすがの狼も数か所に傷を負い、敵わぬと見たか彼方へ逃げていった。兄は弟を背負って帰ったが、傷は案外深く、半月も臥せってようやく癒えたと伝えられている。

原典より

この辺に、百年ばかり前には狼がおったらしい。—— 高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

高畠町伝説集(昭和三十二年(1957)刊/高島高校文芸班編)

山形県東置賜郡高畠町(屋代・亀岡・和田・二井宿・糠野目・高安・露藤ほか各地区。一部は隣接の米沢市・南陽市宮内・長井市)に伝わる伝説を、神仏/人物/怪異/動物/什物/地物/地名/地誌 の八篇に分類して集成する。屋代神社の鬼女縁起、犬の宮・猫の宮、安久津八幡、狐狸むじなの化かし、天狗・怪物・沼の怪、青葉の笛や応挙の幽霊画、伊達・上杉の城館跡や古戦場、地名由来など、高畠の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を地区つきで網羅する。

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