上和田に伝わる平敦盛の青葉の笛
どんな伝承か
平敦盛が愛用したという青葉の笛は全国に三つあると言われ、一つは東京の博物館、一つは神戸の須磨寺、もう一つが和田にあるという。源氏と平氏が壇の浦で決戦して平家が滅んだ時、難を逃れた一族の中に敦盛の笛を携えた者がおり、十三峠を越えて和田の地に入った。そして当時の旧家である二宮古三郎の宅、今の上和田田中に、身を隠させてほしいと哀願した。二宮氏は気の毒に思って快く承知し、数年間生活を共にしたので、その者は礼として持っていた青葉の笛を贈ったという。笛は当地の高房神社を模して縮小した中に安置され、二宮家の家宝として大事に保存されている。長さは三十八糎六耗、指穴は七つあり、黒漆塗革の筒に納められている。
原典より
「青葉の笛」については、平敦盛が愛用し吹いた笛として、歴史的に余りにも有名であります。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。