白蛇に驚いた鍛冶屋が寄進したローソク立
どんな伝承か
露藤部落の白鬚神社には大きなローソク立が納められている。神社はもと部落の西方、天王川の近くにあったが、奥羽線が敷設される直前の明治三十三年、部落から遠いことと線路が社前を通ることを理由に現在地へ移された。敷設の頃、多くの人夫や鍛冶職が神社を休み場とし境内を汚し、殊に長岡の鍛冶屋の妻子が社殿に泊まって神域を汚した。ある夕方、その妻が沼で米をといでいると、五尺余りの白蛇が真っしぐらに近づいてきたので、米を投げ捨てて逃げ帰った。その夜、寝ていた夫が目を覚ますと、大蛇が口を開けて寝床へ襲いかかってくる。気丈な彼も震え上がって近所へ逃げ、神社を汚した罰だと思い、ローソク立を作って寄進したという。
原典より
露藤部落に白鬚神社がありますが、この神社に大きなローソク立が納められております。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。