平親王山の古碑と偽都の伝え
どんな伝承か
千葉県市原郡菊間村の平親王山と、市東村永吉の平親王野は、その名の示すとおり平親王将門ゆかりの地とされ、里伝ではここもかつて偽都が建設された跡だと伝えている。この辺は古く上野郷の一部で、将門の父良将にゆかりがあり、将門自身も相馬に移る前は上野次郎と称して住んでいたという。『菊間村誌』によれば、菊間区の北端、平親王山の竹藪の中に四層の古碑があり、応安第五年二月三日と刻むほかは磨り減って読めない。里伝に、将門は東国に走ってこの地に居城を構え、京の北野に擬して南に奈良を置いたといい、碑は平親王将門のもの、平親王山の麓の坂を塔の坂と呼ぶと記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。