大血川の逆さ川と将門の子孫を称する山中家
どんな伝承か
荒川と大血川の合流点から大血川沿いに三、四十分ほど分け入ったところに大血川の集落がある。将門の妃九十九人が落ち延びてきて自害し、その血が七日七夜にわたり川を紅に染めたので大血川と呼ぶと伝えられる土地である。奥の農家の主人黒沢八郎氏の話によれば、この川は東から西へ、つまり都の方から見て逆さに流れるため「逆さ川」といい、不吉のしるしとされる。桔梗の花が咲かないという話も老人から聞いたという。近くの山中家は将門の子孫を称し、その墓地には将門の墓と伝えるものが残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。