源頼光と「源氏物語」の時代
どんな伝承か
坂田金時の主人にあたる源頼光は、鎮守府将軍源満仲の長男として村上天皇の天暦二年に生まれた。父の方針を継いで藤原氏に接近し、摂津・伊予・美濃などの守を歴任、内蔵頭や左馬権頭に任じられて内昇殿を許された。道長が土御門邸を営んだ折には調度と衣類一切を独力で寄進したという。宮中では和泉式部や紫式部が才気をうたわれ、「枕草子」「源氏物語」もこのころ成った。だが頼光は摂関家に連なる貴族ではなく受領階級から出た武門の子で、その真価は軍事力にあった。都の治安は乱れ、満仲の邸に強盗が入り、道長の邸が放火で全焼する事件すら起きたから、渡辺綱・碓井貞光・ト部秀武・坂田金時ら四天王の武勇は貴族階級に重んじられた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の史実と伝説(小森良章・昭和五十年(1975)刊)
小森良章『神奈川の史実と伝説』(昭和50年=1975刊)を、史実につながる伝説十一篇を節単位で全59事例として収録。