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忍性の雨ごいと日蓮の題目の雨

所在地神奈川県鎌倉市極楽寺
年代文永八年(一二七一)六月
登場日蓮、忍性
出典神奈川の史実と伝説

どんな伝承か

文永八年は大変な日照りで、幕府は六月、極楽寺の忍性に雨ごいの祈禱を命じた。これを聞いた日蓮は、七日のうちに雨が降れば律宗に帰依するが、降らなければ法華経の信者になれと忍性に挑んだ。忍性は百二十人の僧を集めて修法したが一滴も降らず、さらに数百人で七日間祈っても雨は来なかった。日蓮の弟子たちが辻々で嘲る中、日蓮が天に向かって題目を唱えると、ほどなく黒雲が湧いて激しい雨になったという。律宗側は面目を失って恨みを深めた。著者はこれを高僧にありがちな伝説で、事実とは信じがたいと添えている。

原典より

日蓮の罵詈雑言に忍性や律宗の信者たちは泣いて口惜しがったが「それでは」と日蓮が「南無妙法蓮華経」と天に向ってお題目を唱えたところ、間もなく黒雲が湧き出して、ざんざんと雨が降り出した。—— 神奈川の史実と伝説(小森良章・1975年(昭和50年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

神奈川の史実と伝説(小森良章・1975年(昭和50年))

『神奈川の史実と伝説』は、新聞記者から県政の仕事に転じた小森良章が昭和五十年に著した郷土史の読み物である。倭建命の東征から鎌倉幕府の滅亡までを範囲に、神奈川県内に残る伝説を十一の篇にまとめ、走水の弟橘姫や足柄山の金太郎などを取り上げる。各篇は伝承地を副題に掲げ、伝説とその背景にある史実を結びつけて語り、古事記や吾妻鏡などの記録を引きながら著者の推測も交えている。

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