冠を御神体とする走水神社
どんな伝承か
走水には倭建の命と弟橘姫にちなむ地名や言い伝えが多く残るが、御所崎の近くにある走水神社もその一つで、二人をまつっている。その御神体は、倭建が船出に際して村人に与えた冠であると伝えられ、冠は石の棺に納めて奥殿の床下の土中に埋められているという。このほか神社には、倭建のものとされる素焼きの土器と勾玉、姫の金の鎖、そして姫の後を追って入水した侍女たちの十身像がまつられている。
原典より
なお、御所崎の近くに倭建の命と弟橘姫をまつった走水神社があり、その御神体は建が船出するとき村民に与えた冠だと伝えられている。—— 神奈川の史実と伝説(小森良章・1975年(昭和50年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の史実と伝説(小森良章・1975年(昭和50年))
『神奈川の史実と伝説』は、新聞記者から県政の仕事に転じた小森良章が昭和五十年に著した郷土史の読み物である。倭建命の東征から鎌倉幕府の滅亡までを範囲に、神奈川県内に残る伝説を十一の篇にまとめ、走水の弟橘姫や足柄山の金太郎などを取り上げる。各篇は伝承地を副題に掲げ、伝説とその背景にある史実を結びつけて語り、古事記や吾妻鏡などの記録を引きながら著者の推測も交えている。