琵琶橋
どんな伝承か
横浜の岸根町の小川にかかる石橋は、琵琶橋と呼ばれている。岸根にまだ八戸ほどしか家がなかった昔、琵琶を抱えた盲目の法師がここへ来たが、橋がないので琵琶を川に渡して渡ろうとし、均衡を失って琵琶もろとも転落して死んだ。それからは流れの中から物悲しい琵琶の音が聞こえ、その音に引き寄せられて川に落ちる者が相次いだという。ほかにも、丸木橋の上に集っていた村の若者たちが、渡してほしいと頼む琵琶法師に一曲所望し、その調べに聞きほれて手を引いて渡してやったからとする話や、橋が枇杷の木でできていて、法師が枇杷の杖をついて渡ったからとする話も伝わる。
原典より
もとは粗末な丸木橋 横浜駅から川和行きバスで約二十分「岸根」の停留所で下車する。—— 神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。