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十文銭と五十文の松明

所在地神奈川県鎌倉市(滑川)
年代鎌倉時代
登場青砥藤綱
出典神奈川の伝説

どんな伝承か

ある夜、出仕の途中で鎌倉の滑川を渡ろうとした青砥藤綱は、銭十文を川へ落としてしまった。藤綱は家来を近くの店へ走らせて松明十束を五十文で買わせ、川面を明々と照らして、とうとう落とした十文を探し当てた。後でこれを聞いた人々は、十文を拾うのに五十文の松明を買うのは小利大損だと笑った。これに藤綱は、川底の十文は探さなければ永遠に失われるが、松明に払った五十文は商人の手に残って消えはしない、自分の損は商人の得であり、どちらの銭もひとつも失われていない、これこそ天下の利だと説き、笑った人々を舌を巻かせたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))

『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。

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