童子に化けて舟を漕いだ岩の上の観音
どんな伝承か
秩父市寺尾の岩之上堂の観音は秩父札所の二十番にあたる。ある男が年老いた母を見舞おうと、向こう岸の宮路へ渡ろうとしたが、川は大水で渡れなかった。すると観音が童子の姿となって現れ、小舟を操って男を向こう岸まで渡してくれた。男が「どちらの方ですか」と尋ねると、童子は「あの岩の上に住む者だ」と答えて、たちまち姿を消したという。
原典より
秩父市寺尾の岩之上堂の観音は、秩父札所の二十番にあたるものである。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年))
『武蔵の伝説』は、大島建彦と渡辺千佳子が昭和五十一年に著した伝説集である。埼玉県・東京都と神奈川県の一部にあたる旧武蔵国の伝説を、地誌・紀行・社寺縁起・区市史や『埼玉県伝説集成』などの文献と土地の口碑から集め、項目ごとに出典を添える。『日本伝説名彙』の六部門に家・村と祭礼・行事を加えた八部に分け、巻頭の「はじめに」で伝説の分類の方法を論じている。