皮を煎じて縁を切る板橋の榎
どんな伝承か
板橋の下板橋、道端に高さ二間ほどの枯木の株が残る。名高い縁切榎の残骸で、二十年ほど前の火災で枯れたものだという。江戸会雑誌によれば実は欅で、幹の朽ちた空洞に第六天神の小祠を安置し、神木として注連を掛けていた。この木の皮を剥いで粉にし、あるいは煎じて縁を切りたい相手に密かに飲ませると必ず効くとされ、皮は根元から六、七尺まで剥ぎ取られた。皮が尽きた今は幹を削って使う。嫁入り婿入りの行列はこの木を避けて回り道をし、和宮が家茂へ降嫁した折も、板橋街道を通らず川口から日光街道を経て入府したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸傳説(佐藤隆三)
佐藤隆三編『江戸傳説』を全42話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。