鬼の子を宿した娘を祀る子安明神
どんな伝承か
鳴海の天神七不思議の七つ目。この近郷でも指折りの長者に美しい娘がいたが、いつのまにか鬼の子を身ごもってしまった。娘は恥じ、行く末を思い悩んで、名伝の桜で名高い会初川に身を投げて死んだ。近くの人々はその死を哀れんで手厚く葬り、いつのころからかそれが子安明神と呼ばれ、安産の神として崇められるようになった。会初川の水を妊婦が飲めば安産するといわれ、近在の人はもちろん、江戸へ行き来する加賀藩の武士までもが紙に川の水を浸して持ち帰ったという。
原典より
その娘がいつの間にか鬼の子を宿してしまった。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。