竜の玉が化した猪名湖の木谺岩
どんな伝承か
松原湖の七不思議の三つ目。猪名湖の中、立花屋の前から西寄りに九十メートルほどの所に、直径十・八メートルにもなる大岩があり、その上に直径二メートルほどの丸い岩が載ったような形をしているという。湖の水が減ったときに姿を見せ、畠山重忠が竜を退治したとき、竜の顎から出た玉が変じたものと伝えられる。岩の真上の水面には小さな玉が現れ、かげろうのように揺らいで転がるように見えたが、どこへも転がってはいかなかった。いまはこの玉も見えなくなったという。
原典より
湖が減水した時現れるとのことだが、この岩は畠山重忠が竜を殺したとき、その顎から出た玉の化したものだという。—— 信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
信州七不思議(降幡利治・1984年(昭和59年))
『信州七不思議』は、降幡利治が昭和五十九年に著した信州各地の七不思議を集めた本である。諏訪大社上社と下社の御神渡りや筒粥に始まり、松原湖、生島足島神社、川中島古戦場、志賀高原、浄光寺、雲上寺、立石など県内各地に伝わる七不思議を、町村誌などの資料と聞き取りをもとに記す。各地の七つの事柄を箇条に掲げて関わる社寺や史跡の解説を添えるガイド風の構成で、序では越後の人が信州人の気質を評した七不思議を紹介する。