吉志の戦墓と馬の墓
どんな伝承か
北九州市門司区松ヶ江吉志の大原二本松に、戦墓と馬の墓と呼ばれる二つの藪がある。永禄年間(一五六〇年ごろ)、貴船原(吉志)で行われた毛利氏と大友氏の合戦の死者を葬った場所と伝えられる。この敷地を荒らしたりすると大きな祟りがあるといわれ、地元の人々はこの藪地には決して立ち入らない。門司区には同様に触れてはならないとされる忌地・祟り地が各所にあり、聖地から神聖感を除きタブーへの畏怖だけを残した場所として、この戦墓・馬の墓もその一つに数えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。