井手浦の五輪馬場
どんな伝承か
小倉南区井手浦の入り口の旧道に、塔頭ヶ鼻と呼ばれる丘陵があり、人々はこの旧道一帯を五輪馬場と呼んでいる。今は竹林だが、一〇〇基あまりの五輪石が乱雑に立ち、寺院の跡らしいものもあって、土を掘ると古銭が出るともいわれる。昔は、この五輪馬場を一人で通りかかると「子を抱かしょ、子を抱かしょ」と女の声で呼びかけられるといい、日が暮れるころに一人で通ることは固く戒められていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。