上城野の産女石と子抱き
どんな伝承か
小倉南区上城野の五軒屋に産女石がある。石のそばへ近づくと女が現れ、「この子をちょっと抱いていておくれ」と頼む。言われるままに子供を抱いていると、女は血のついた子供の着物を一心に洗い、さて子供を受け取ろうとする。ところがその子はいつの間にか重い石に変わっており、やっとの思いで石を返すと女の姿は消え、あとには大きな石だけが残っていたという。この言い伝えから、村の人たちは石に近づいてはならないと恐れていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。