元就の船を離礁させた本田具波伊
どんな伝承か
若松区の脇ノ浦では、四月二十三日には漁を休み、隣の脇田にある福寿院で営まれる本田具波伊の祭りに加わる。本田具波伊は脇田の漁師で、昔、毛利元就がこの近海を巡視していたとき乗っていた船が座礁した。具波伊は海に飛び込んで船を無事に岩から離してみせた。この功績によって、それまで長州の領地だった白島が脇田村の領分になったという伝説があり、村の恩人として毎年祭りが行われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。