倭寇の祝いに始まる田野浦の提燈山
どんな伝承か
北九州市門司区の田野浦に伝わる提燈山には、二つの起こりが語られる。ひとつは、倭寇が戦の勝ちを祝って提燈を振りかざし町を練り歩いたのが初めというもの。もうひとつは、北前船でにぎわった二〇〇年ほど前、入港した船乗りから各地の祭りの話を聞き、祇園祭をいっそう盛り上げようとして始めたというものである。山は五段重ねで提燈の付いた部分が回るのを特徴とし、大正五年ごろ一度は途絶えた。昭和三十年に保存会が形を縮めて再興し、いまは毎年五月の門司みなと祭りに加わっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。