甲宗八幡の敷地祓いと玉替え
どんな伝承か
門司区旧門司の甲宗八幡神社では、十月十四日から十六日の大祭の前に敷地祓いの行事がある。小さな神輿が氏子の村から村へと引き継がれて練り歩くもので、田野浦・旧東郷村・旧松ヶ江村・旧足立村・大里を経て本社に戻る東回りと、その逆の西回りとを一年おきに行う。田野浦では東回りのときは楠原村から、西回りのときは白野江から村境で神輿を受け取る。昔は鉾や幟を立て、太鼓や笛、鉦を鳴らして回った。十五日は神輿が市内を巡幸して老松公園のお旅所に一泊し、翌日還幸する。昭和十二年ごろまではお旅所で夜に玉替えの行事があり、参拝者が土製の玉を交換し合って、当たりが入っていると神功皇后の甲をかたどった小さな甲がもらえた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。