神輿に乗せられ腰を痛めた松太郎
どんな伝承か
天満宮の六月大祭に招かれた松太郎は、御神前から「今日は神輿に乗せてやる」と言われて乗せられた。ほかの神々は宙に浮いて乗っているため揺れても平気だが、松太郎は尻を据えて乗っていたので、神輿が揺れるたびに腰や脚を打ちつけて難儀した。中之島へ渡る際、神輿から木津川を渡る船へ移ったが、供の者たちには松太郎がいつ船に乗ったのかまったく見えず、皆が不思議がった。帰宅後、腰を七日ほど痛めて困ったという。
原典より
私は御輿に尻を据えて居る故、其の神輿ゆすぶりますと、腰を摺り脚を打ち、それハきつい事にて誠に困り、—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。