豊作と悪疫退散を祈る沼楽
どんな伝承か
沼の沼八幡神社に伝わる沼楽は、豊作と虫害よけ、悪疫の退散を願って毎年五月三日に行われる。県の無形民俗文化財に指定されている。担い手は楽庄屋と言上言いが各一人、杖使いと団扇使いが各二人、笛が四人、鉦が五人、頭楽二人を含む太鼓打ちが十二人で、締めて二十七人になる。白と黒で通す道原楽や石田楽に比べると装いは華やかで、手甲脚半はいずれも紺、鉦打ちの白鉢巻きは結び目の端を紅に染め、太鼓打ちの腰みのは下半分が藍に染まる。背には深紅の小幟と三色の幣を負い、団扇には叶の一字が大きく書かれる。二列が行き交い、輪をつくって舞う。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。