寺道の天満宮と悪病退散のお籠り
どんな伝承か
木屋瀬三丁目には、永源寺と向き合う袋小路の横町があり、寺道と呼ばれる。ここに面する三十軒ほどの家は、毎月二十五日、寺の境内に立つ天満宮の小さな祠の前でささやかな祭りを営む。御神体は納められていないが、家内の安全を願う大切な行事とされる。昔この一角に悪い病がはやったとき、人々が大字野面の八所神社に願をかけると、ほどなく病は退いて元の暮らしが戻ったという。それから寺道の人々は年に一度、八所神社へお礼のお籠りに出向き、これを絶やさなければ病は起こらないと信じている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。