すくも塚
どんな伝承か
川越市上老袋には、すくも塚とよぶ古塚があった。『新編武蔵風土記稿』はこのすくもについて「これは例の塵芥を掃集し塚なるべし」と記している。スクモとはもみがら、もみぬかの意味で、糠塚も同義である。上老袋のすくも塚には何らの伝説も伴っていないが、他の地方では、昔えらい長者があり、その家の飯米を搗いた籾殻が棄てられて、このような塚になったと伝説する。稲はつい近頃まで籾のまま貯蔵され、入用に臨んで搗き、そのアラヌカを塚の形に積んでおく習いだった。それが処分されずに大きく残ったのは、祭や大集会、過去の大事件の記念であったからで、スクモ塚は名称からみても財宝福徳を祈願する祭壇であったと解される。
原典より
上老袋にはすくも塚という古塚があった。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説))
韮塚一三郎『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』(歴史伝説の巻)を全608話・伝説(土地別の異伝)単位で収録(<解説>・[参考]・和歌・注は本文に内包)。埼玉県下の歴史伝説(塚・城址・古戦場・武将〈新田義貞・畠山重忠・太田道灌ら〉・史跡・寺社縁起等)を、所在地(市町村・字・社寺)と出典(新編武蔵風土記稿・各市町村史等)を付して体系的に集成した中巻。