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縄を掛けて願う広済寺のしやぶき婆

所在地埼玉県川越市喜多町(広済寺)
年代元禄年間
登場浪人・美しい娘
出典埼玉県伝説集成——分類と解説 中

どんな伝承か

元禄のころ、川越の喜多町に住む上州厩橋出身の浪人が夜更けに帰宅すると、門を入ったところで誰かが後からついて入って来た気配がした。明かりをつけると台所に三尺ほどの石が転がっており、翌朝調べると石塔のようだったので、人々の力を借りて広済寺に納めた。そのころ喜多町の綿屋の娘が、正月から風邪気味で治らずにいた。境内でこの石塔を見つけ、女中の勧めで縄を掛けて印とし、百日日参すると病はすっかり治った。娘は礼に茶と煎り豆を供えた。以来、縄を結んで百日参れば病が治り、治れば茶と煎り豆を手向けるならわしとなり、今も百日咳によいと参る人がいる。

原典より

娘も不承知でもなさそうだったので、その石仏に縄をからげてその印とし、百日間日参することにした。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)

『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。

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