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沈む日を呼び戻した番頭と長者の没落

所在地千葉県成田市吉岡(鹿渡し)
年代伝承
登場野田殿、長者
出典大栄町史 民俗編

どんな伝承か

吉岡に野田殿と呼ばれる長者がいて、鹿渡しの田を含む広い田の田植えを、何百人もの娘を使って一日で終わらせていた。ある年、尾羽根川沿いの田まで来たとき、猿が鹿にまたがって通るのを娘たちが見つけ、番頭も皆に声をかけたので、全員が手を休めて見入ってしまった。そのため田植えは一日で終わらず、見回りに来た長者は番頭を責め、終わらねば首だと叱った。追いつめられた番頭は沈む日に爪先立ちで戻ってくれと願い、とうとう日を呼び戻して田植えを終えた。だが番頭はその罰で病み、七日七晩苦しんで死に、長者も衰えて没落したという。以来この地は鹿渡しと呼ばれ、ここの田植えでは何が通っても手を休めてはならないとされる。

原典より

番頭さんはこれを悲観して、沈みゆく太陽につま先立ちをしながら「オテントウ様、沈まないで戻っておくれ」と訴え、ついに太陽を呼び戻したのであった。—— 大栄町史 民俗編(大栄町) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

大栄町史 民俗編(大栄町)

『大栄町史 民俗編』は大栄町の町史の民俗編で、ここに収められているのは第六章「ことばと生活」第一節「伝説」の部分だけである。北総台地にある町内の地区ごとに、源頼朝の鞍掛けの松、城主大須賀氏・伊能氏の話、弁天様と道祖神、狐・狸・河童・大蛇の話、作男や長者の話、古墳の埋蔵金の話などを伝える。伝説は歴史・神仏・動物・人物に関する伝説と「トーカとムジナの話」の五項に分けられ、末項では狐に化かされた体験とムジナの火の話を「〇」の箇条で並べる。

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