古志・魚沼のユカ無き家
どんな伝承か
高橋翁の話によれば、古志と魚沼三郡の農民には、床のない家に住む者が多いという。すなわち土間の土を掘り、籾殻と藁を敷いて、その上に寝るのである。役所がこれを改めるよう説き聞かせても、なかなか改まらない。古志一郡だけでも、そうした暮らしをする者が八万人はいるだろうという。それでもこうした村々では、常食はやはり米であった。麦の産額は全体に少なく、栽培を広げようと麦食を勧めても、なかなか行われていないのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。