吉原の塞の神とサンダワラの疫神送り
どんな伝承か
五月二十二日、鈴川で下車し、人力車で吉原の町へ行って山中笑翁を訪ねた。翁が大宮へ行くというので馬車に同乗し、その車中で色々の話を聴いた。吉原の町の社にある塞の神を見る。伊豆のものと同じ石の坐像で、被り物は頭巾とも烏帽子とも見え、前に持つものは笏であろうという。吉原の方の塞の神様は横に木があり、その枝にサンダワラを吊るしてあった。疫神を送るときの幣などは、この藁製品に入れて上げるのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。