鞍谷の継体天皇遺跡と轆轤師の綸旨
どんな伝承か
木地真砂に伝わる天正八年の文書に見える「越前州今南東郡吉河鞍谷大同丸」の吉河・鞍谷は人の名ではなく地名で、九谷の奥山へ越えて来たのは大同丸一人らしい。鞍谷は越前今立郡の東南部、今の味真野村の一隅にあたり、大迹皇子すなわち継体天皇の御遺跡と称する口碑の分布している地方である。越知山とはやや離れている。「偉績考」に大野郡鞍谷とあるのは誤りであろう。この地には轆轤師が多く居住し、その職業に関する御綸旨を秘蔵すると伝えられていたと柳田は記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。