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多賀の杓子と大杓子渡御

所在地滋賀県犬上郡多賀町大字多賀(多賀大社)
登場神官、参拝者
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

近江の多賀の杓子は近世には名産として名高いが、何のために作り始めたかを問う人はもういない。大正のころ県庁の案内で参拝した新聞記者たちは、おたま杓子はお多賀杓子から来たという古い説を聞かされ、門前の両側の家々に並ぶ途方もなく大きな杓子に驚いたという。長寿安泰の御利益も、疑い深い当世の人には売るための宣伝に見えたかもしれない。しかし四月の午の日の祭礼の行列では、その大杓子に白い布を延べ、騎馬の神官のすぐ後ろに続いて渡御したと年中故事に記されており、少なくともこの品が神社の信仰と古くから結び付いていたことは推せると柳田は述べる。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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