紀州伊都郡のユキンボ
どんな伝承か
高瀬敏彦氏の報告として、紀州伊都郡のユキンボが挙げられている。ユキンボは雪の夜に飛び歩くとされ、一本脚であるとだけ記されて目については何も触れられていない。また姿は小児のようだという。柳田はこれを飛騨高山の雪入道や熊野山中の一本ダタラと並べて論じ、雪が降ることで初めて現れる者と考えられていたのではなく、雪は足跡の話に伴っているのだろうと見る。一本足で飛び歩くという点は手に負えないが、山の神が跛であるという報告と重ねれば、あり得る想像になると述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。