黒崎荒神山の足跡と発狂
どんな伝承か
『西讃府志』巻五十一に載る。播州揖保郡黒崎の荒神山に、萩原孫三郎の墓と伝えられる古い塚があり、石の祠が安置されていた。嘉永の初め頃、ある人がこの辺りを開いて畑にしたところ、一夜のうちに踏み荒らされ、大きな人の足跡が残っていた。そしてその家は家族全員が発狂してしまったという。柳田は、雪の上に限らず足跡の不思議が人々を驚かせた例のひとつとしてこれを挙げている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。