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宋銭に変わった痩馬の代金

所在地東京都中野区本町(中野長者塚)
登場鈴木九郎、体験者・中野長者
出典行楽と史蹟の武蔵野

どんな伝承か

中野長者と呼ばれた鈴木九郎は、応永の頃に奥州から武蔵へ移り、中野の地で伯楽を営んで身代を築いたと伝える。富を得た発端として、こんな話が残っている。ある日、飼馬を引いて下総の葛西の馬市へ出るにあたり、九郎は熊野権現に社殿の改築を約し、浅草の観音堂には受け取る代金に宋銭があれば寄進すると誓った。痩馬は一貫文で売れたが、帰り道に緡を解くと銭はことごとく宋銭の大観通宝だった。驚喜した彼は全部を観音堂へ納め、手ぶらで帰る。すると自宅から火の手が上がって見えた。慌てて駆けつければ火事ではなく、茅屋に満ちた黄金の光が戸外へ漏れていたのである。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・1937年(昭和12年))

『行楽と史蹟の武蔵野』は、寺島裕が昭和十二年に著し、新生堂から発行した武蔵野の史跡探訪記である。狭山丘や山口貯水池の周辺から、行田・粕壁・生田・淀橋・中野・柴又・多摩御陵などの社寺、城址、古戦場、塚を歩いて訪ね、交通の便とともに由緒や伝説を記す。小橋一太と新井堯爾の序文、著者の自序を巻頭に置き、前著「史蹟の武蔵野を探ねて」に続く行楽案内として土地ごとの短い節を連ねる。

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中野長者鈴木九郎黄金

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