築地から降りた布に包まれ消えたあこ法師
どんな伝承か
古今著聞集によれば、建保の頃、高倉という女官に七歳になるあこ法師という子があった。近所の子どもたちと小六條まで出かけ相撲をとっていた夕暮れ時、後方の築地の上から垂れ布のようなものが降りてきて子を包み隠すと、その姿が消えてしまった。三日目の夜、女官の家の門を叩く声とともに廊へ何かが投げ入れられ、死人のような姿の子が戻っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦)
『異界巡礼』は、小松和彦が著した民俗学の論集である。狐が人に化ける方法と如意宝珠、蓮如絵伝の異人、鬼退治譚と怨霊、家の盛衰をめぐる民話、夢信仰、巫女と陰陽道、洞窟や龍宮の他界観、人を神に祀る信仰、神隠しなどを、昔話・説話・絵巻・お伽草子と高知県物部村などでの調査をもとに論じる。論考と随想を部に分けて並べ、「民俗のランドスケープ」の部には妖怪、凧上げ、祓い、霜月祭り、呪い人形をめぐる小文を収める。