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墓の赤子に飴を買った母の幽霊

所在地長崎県長崎市麹屋町(幽霊井戸)
出典日本の妖怪伝説

どんな伝承か

長崎市麹屋町の路地に残る幽霊井戸の由来である。飴屋が店を閉めた夜、白っぽい着物の青ざめた女が戸をたたき、一文の飴を求めた。女は幾晩も通い、銭のない晩には恵んでほしいと頼むので、飴屋が後をつけると光源寺の墓地近くで姿が消え、赤子の泣き声が聞こえた。翌朝和尚と新しい卒塔婆の墓を掘ると赤子が這い出してきた。京で長崎の彫物師と契った女が身重のまま後を追い、力尽きて死んだのだった。子は父に引き取られ、女の霊は礼に来て、水に困ると聞くと角を掘れと告げる。掘ると冷たい水が湧き出たという。

原典より

おっかなびっくり墓地をのぞいた飴屋は、その時、フワフワと飛ぶ火の玉と、突然きこえた赤子の泣き声に、完全に腰を抜かしてしまった。—— 日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年))

『日本の妖怪伝説』は、小笠好恵が各地に伝わる奇談・怪談を読み物にまとめた伝説集で、序は昭和四十一年五月付である。浅茅が原の一つ家、四谷怪談、九尾の狐、安達が原の黒塚、道成寺、鍋島の化け猫など、岩手から熊本までの四十五話を、伝えられた形をなるべく崩さずに書き直し、おおむね東から西へ並べる。雨月物語や小泉八雲など書物に拠る話のほか近年の体験談も混じり、一部の話の末にはゆかりの寺社へ行く「順路」を付ける。

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