弘法大師が授けた入横尾の重箱雨
どんな伝承か
坂城町南条の入横尾には有名な観音が祀られ、部落名よりも「観音」と呼ばれてきた。この地には、他所には降らないのにどんな日照りのときでもここだけぱらぱらと雨が降る場所があり、観音の重箱雨という。千余年前、信濃を巡錫していた弘法大師が空腹のまま歩いていると、一軒家で主婦が飴を煮ていた。飴を分けてもらった大師が礼に望みを尋ねると、主婦は雨の少ない土地だから夏の日照りに時々雨を降らせてほしいと頼んだ。以来毎年夏に、南条の一部にだけ雨が降るという。
原典より
この地に観音の重箱雨といって他所には降らないが、ここだけがどんな日焼けのときでも、パラパラっと雨が降るところがある。—— 坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌)
『坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説』は、長野県坂城町の町誌上巻(自然編・民俗編)から、民俗編の数章を抜き出したものである。祟る所や神罰、ヒトダマ・狐火などの怪異、魔除け、植物の禁忌といった俗信を地区ごとの事例として番号を付けて並べ、続いて甘利さま、天田長者とほうず池、苅屋原の七不思議、貉和尚、夜泣き石など三十余りの伝説を収める。伝説の章は調査員の調査をもとに、以前の調査記録も二、三篇併せて載せる。