狐狸と踊った東福寺の虎猫
どんな伝承か
昔、東福寺の和尚が法要の帰り、七月十六日の夜、丑の刻に人声に驚いた。月の光で声のする方を眺めると、十四、五頭の狐と狸が立って人の形をして踊っており、その様は真人間の踊りに似ていた。密語を聞くと、東福寺のごんぼう虎猫が来ないうちは調子が揃わないと繰り返している。やがて一頭のごんぼう虎猫が来て仲間に入ると、狐狸の勇み喜ぶ様は一通りでなく、和尚は自分の飼い猫ではないかと手布を首に結んで帰った。翌朝、虎猫は手布のまま帰り、和尚が昨夜の踊りは面白かったかと問うと、ニャンと一声鳴いて飛び出したきり帰らなかった。それから猫は火車と化けて棺桶をさらうようになったという。狐狸と虎猫が踊っていた所を踊壇と呼ぶ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
岩代町史 第4巻(岩代町)
岩代町編『岩代町史 第4巻』を全23話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。