新場の狐 (2)
どんな伝承か
行徳の大東つぎ、志村とみらが語る。新場の山で天ぷらを揚げたのは、トウフ屋とヤヘエの爺さん、ハルオジの爺さんにフクマツで、三人でネズミの天ぷらを揚げたのだという。そのときは木の葉の銭ではなく本物の銭を持って来た狐もいて、一円札まであった。紋付を着たのも、武士のように刀をさして威張って来たのもいて、ほうぼうの稲荷が来るのだから、偉い稲荷はさぞ立派な身なりで来たのだろうという。狐同士で名を呼び合い、「どなたさまもいらっしゃいました」と挨拶していたそうだ。真似をした若い者たちは、朝になると銭が木の葉になっており、それは妙典道のサンゴウジの葉だったという。
原典より
新場の山でてんぷら揚げたってのは、トウフ屋とヤヘエの爺さんと、ハルオジのお爺さんにフクマツだとよ。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第1集』を全206話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。