狐に化かされた話 (8)
どんな伝承か
北国分の蒲田よしが語る。結婚式などで生折を持ち帰ると、その匂いにひかれて狐が女に化けて出るという。畑の中なのに「おお深い、おお深い」と言って歩き、翌日行ってみるとよその葱畑がぐちゃぐちゃになっていた、という話を聞いた。語り手の夫も、会社へ鮭の弁当を持って行くと帰りには骨だけが弁当に入っており、坂を登ると背筋がぞっとして髪の毛が立ち、弁当箱がガリガリと音を立てた、あれが狐だったと言っていたという。狐はマッチや煙草の匂いを嫌うので離れるが、そこまでの状態になるともう効かないとも語る。
原典より
国分新田(いまの北国分)なんかで、祝いごとに招ばれて、帰りにみやげなんかもらって、いっぱいきげんで練兵場のあたりをふらふら歩いてくると、よく狐に化かされたという話は聞きましたね。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・昭和55年頃刊)
市川民話の会編『市川の伝承民話 第1集』を全206話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。